一本松 題字

2010.4.4   第35号   編集発行 片野尾公民館

 

新区長あいさつ

 

   区長      三國 豊

昨年末の選挙で区長という大役を仰せつかり、大変恐縮しているところです。何しろ片野尾に帰って僅かしか経過してなく、不安も大きいものがありますが、区政を任せられたからには、集落の発展のために、全力投球で取り組みたいと考えております。
当区も他の地域と同様に、少子高齢化が急速に進み、以前は67戸も有った戸数が52戸(居住者がいる)に激減している状況であります。これからの集落の維持をどうしたらよいか。住民の繋がりをどう保っていくか。喫緊の課題となっております。

ところで、区の施設は、近年益々充実してきております。漁港の整備、活性化センターの建設、農道・圃場の整備、県道の拡幅、広域林道の開通と、長年の要望が全部揃った格好であります。

今後は、これらの施設設備を有効に活用して、住民の暮らしの向上につなげて行かなければなりません。
そのための方策として、観光資源の見直し(看板の立て替え、観光ガイドの設置等)、稲作の付加価値を付けた米の販売(特別栽培米、販売網の拡大等)、漁港を利用した資源の発掘(ダイバーの誘致、ワカメ・貝類の養殖、漁礁の設置等)、林道を活用した植林の促進等、いま取り組まなければならないものばかりです。
具体的には、生活面の向上の観点から、懸案であった北組市道および高屋組の水道本管の布施替えが、今年度から工事を行うことになりました。また、ふるさと館の完成により利用率を確保することが必要であります。冠婚葬祭等の催しや集落の行事など多目的に使用し「憩いの場・交流の場」として大いに活用をお願いします。
更に環境整備の面からも、県道の両側、ふるさと館の周辺の花壇や植栽等の管理や設置を行い、「きれいで住みよい片野尾」の実現に向け努力したいと考えております。
そのためには、区の皆様の協力が不可欠であります。老若男女を問わず、互いの絆を大切に、明るい雰囲気で生き生きと生活できる環境づくりを目指したいと念願しています。皆様のご指導・ご鞭撻を宜しくお願い申し上げます。


▲あいさつする三國区長

 

 

公民館大会、開催

 

1月24日(日)、片野尾公民館で、「平成22年片野尾公民館大会」が開かれました。
最初に後藤清一館長は、「昨年はふるさと館が完成し、今年、歌舞伎公演が開催されます。ご協力宜しくお願いいたします。」と、あいさつしました。
続いて行われた議事では、平成21年の事業と決算についての報告と平成22年の事業計画と予算について説明がありました。質疑応答では、ここ何年も行っていない側溝の清掃について要望があり、事務局は区と公民館が協議したいと答えました。
講演会では、燕市児童研修館こどもの森の館長、関﨑智弥(せきざきさとみ)さんを講師に迎えて行われました。
関﨑さんは、「あなたも大切 私も大切」と題して、伝えたい事を伝える丈夫な「心の架け橋」を親子で作っていくことの大切さを話しました。親は子どもに対して「自分の命は粗末にしない、相手の命を傷つけない。」という事を社会に出る前、自分の手の中にいる内に伝えてほしいと呼びかけました。最後に「自分のことを大切にして長生きしましょう。」と締めくくり講演会は終わりました。

昼食の後は恒例の演芸大会です。今年も北組、中組、南組、育成会、公民館から17の演目が次々と披露されました。劇、舞踊、カラオケ、ふるさと館の新しい舞台の上で出演者たちの熱演が続きました。また、日用用品を楽器にして演奏した中組の「珍フォニー」や2009年の出来事をニュース仕立てで紹介した公民館役員の出し物などアイデアあふれる演目も増え、会場の人たちを楽しませていました。
そんな中、一番会場を沸かせたのが、北組による「白波五人男」でした。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、人気キャラクター、弁天小僧が出てくるお芝居です。「知らざぁ言って、聞かせやしょう」と言う台詞が有名でその弁天小僧も名を連ねているのが盗賊集団「白波五人男」です。白波とは、むかしの中国に語源のある「盗人」の意味だそうです。片野尾では五人が揃って口上を語る序幕がよく演じられます。
今回の配役は、弁天小僧菊之助を兵吉の小坂泉さん、南郷力丸を久平の宇治晴美さん、日本駄右衛門を五左エ門の宇治梅香さん、忠信利平を源四郎三國屋寛さん、赤星十三を甚蔵の宇治忠文さんが演じました。口上はたどたどしい部分もありましたが、見栄を切る場面は、流石、体に染み付いた役者魂のオーラが5人からビリビリと溢れ出し会場を包んでいました。そのオーラに魅了されたというか、圧倒されたというか、拍手喝采で、今年開催される歌舞伎公演に勢いをつける舞台でした。

毎年のことながら舞台、楽屋、観客席いずれもあわただしい演芸大会ですが当日までの練習から本番、打ち上げまで「大変だぁ~。」と言いながら本気度100%の片野尾のみなさんでした。演芸大会の様子は、片野尾公民館ホームページのブログでも紹介してありますので、ご覧下さい。


▲講師の関﨑館長


▲白波五人男の一場面


 

一本松プレイバック

 

前回に引き続き、一本松のバックナンバーを紹介します。今回は1997年8月10日に発行された一本松第二号を紹介いたします。

 

 

全国に向けて 子供歌舞伎特別公演」

          片野尾小学校校長 橋本 定男

この10月、全国生涯学習フェスティバルが新潟県で開催されます。その一会場に佐渡地区が選ばれ、10日から三日間、様々な事業が行われます。その最終日の12日(日)午前佐和田のアミューズメントにおいて特別公演として子供歌舞伎が演じられることになりました。

市から「全国に子供歌舞伎のすばらしさを」との強い要望が来たのでしたが、今年は大人歌舞伎の年。連続して歌舞伎保存会の方々に指導をお願いするわけです。何より子供たちが大変です。保護者の皆様にも大仕事です。引き受けるには、地域・家族・学校の三者で一緒に「川をとびこえる」ようなところがありました。子供たちに最大級のプラスになるのであればと引き受けることにし引き受ける以上は最高の公演を目指す、と話がまとまったのでした。
7月8日、発会式と台本の読み合わせ。子供たちはかなりよく覚えていて安心しました。23日には立ち稽古、8月1日には「鳴り物」も加えるというハイペースで練習が進んでいます。
新聞やテレビから子供たちが取材を受けることも始まっています。見ていると「堂々とした自信」がかんじられ、『子供歌舞伎は子供を育てる』と改めて思います。

五月に教育実習に来た卒業生の小田紀子さんが「子供歌舞伎をやったことを誇りに思っています」と言い切ったものです。
中学生になった五人、そして転校生で一名増となった小学校に、最大級の思い出と最大級の誇りが生まれることを信じています。
ご支援をよろしくお願いいたします。

 

 

「前浜中学校竣工式おこなわれる」

水津・岩首両中学校の統合が決まり、水津の地主さん方のご理解により平成五年度・用地造成工事、平成六年度・校舎建設工事、平成七年三月竣工・四月から前浜中学校が開校になりました。
その後、屋内体育館建設工事、グラウンド・プール・相撲場建設工事等、全体計画のすべてを完了し、六月二十八日に竣工記念式典と、祝賀会が盛大に行われました。
式典では、地域の人に初めて校歌が披露されましたが、この校歌の作詞者は片野尾出身・新潟大学教授・清田文武先生(九郎左エ門)でした。

 

 

「一本松の松枯れる」

子どもの頃から、海水浴場の横でいつも私たちを見守っていてくれた一本松、すわさまの「ちょうちん祭り」、ふるさとの「心」として50年経ってもあの頃と同じ姿だった一本松、その一本松が昨年の渇水のせいか、松くい虫のせいか、枯れてしまいました。片野尾のシンボルでもあり、公民館だよりのタイトルにもしただけにとても残念です。

今回の紹介は以上です。子供歌舞伎公演や前浜中学校の竣工式、そして、一本松など懐かしい話題がいっぱいでした。

 

 

もうすぐ片野尾歌舞伎公演


4年振りとなる「第16回片野尾保存会定期公演」が、4月18日日曜日に開催されます。2月7日に公演の成功と無事を祈念し、木透宮司様よるお払いも済ませ、公演に向けての稽古が始まりました。

今回の演目は「一谷嫩軍記 須磨の浦の段」と「一谷嫩軍記 熊谷陣屋の場」の二本立てで「須磨の浦の段」には4名の役者、「熊谷陣屋の場」には9名の役者、合わせて13名の役者が出演します。

当日は、歌舞伎演目のほかに婦人部による舞踊の上演もあります。歌舞伎の舞台や花道も2月28日に完成し公演に向けて熱の入った舞台稽古が続いています。ふるさと館での初の公演となりますので、近くの親戚から遠くのお知り合いまでお誘い合わせのうえ、お越し下さい。

 

チャレンジ事業、申請

 

片野尾区は佐渡市が募集していた「平成二十二年度佐渡おこしチャレンジ事業」に申請し、採択されました。この事業は、市民による自主的な地域づくりを支援する補助制度です。今回、片野尾区は「片野尾21村おこし推進委員会」を立ち上げて高齢者の知識や心を受け継ぎ、伝統芸能・地域産業・交流イベントなどにおいて、後継者が活き生きと活躍する地域づくりを目標に事業を進めていきます。
具体的な内容としては伝承歌舞伎の公開、子供歌舞伎の育成、稲作農業(トキ舞)の活性化、集落の環境美化活動、あんこう祭りなどです。一般的に「村おこし」というと、その土地にあるものを活用して集落の人たちが「もうひと踏ん張り」するというイメージがありますが、今回の申請では、すでに片野尾の中で活動を続けている歌舞伎公演やトキ舞農業を取り入れて申請しました。したがって、新たな村おこしという側面よりも、これまで継続して活動している事業の充実と発展を図る側面を重要視しました。

区民の皆様には色々な場面で協力頂く事となりますが、宜しくお願いいたします。

 

 

春の火災予防週間

 

先月、小木地区で七棟、河崎集落で四棟を全焼する大きな火災が続き火事の恐ろしさを改めて認識することとなりました。昨年度、佐渡市では43件の火災が発生し、3名の死亡者と12名の負傷者がありました。
片野尾でも明治38年に大火がありました。その時の教訓を忘れず村の防火と区民の安全に努めるため毎年3月31日に片野尾消防団の団員が集まり、各消火栓の覆いはずし、防火水槽の点検、河川などの点検および清掃、そして、放水訓練などを行っているところです。
平成21年度最後となるこの日の活動を境に、宇治正彦部長から宇治満新部長に、宇治満班長から吉田浩昭新班長にそれぞれ引継ぎが行われました。また、佐十の村上敏団員が退団し、藤佐ェ門の小田幸洋団員が入部しました。



▲水津分団第2部(片野尾)の団員

4月1日から7日まで春の火災予防運動として午後8時のサイレン吹鳴とポンプ車による広報活動を行います。春先は特に空気が乾燥し、火災が発生しやすい時期です。最後まで火が消えた事をきちんと確認するなど火の取扱いにご注意下さい。

 

 

編集後記

 

今年は4月に入っても山の方でみぞれが降るという変わった年となっておりますが、ようやく春の陽気が感じられるようになりました。

▼歌舞伎公演を目前に、二つの演目の練習が週三日のペースで続いているため、ほぼ毎晩、ふるさと館の明かりが灯っている状態です。役者の完成度はというと・・・、本番を期待してください。

▼歌舞伎公演は前回まで旧片野尾小学校で行ってきました。長年、小学校を拠点に活動してきたため、ふるさと館での公演に伴い様々な点でリニューアルが必要となりました。ステージの高さ、来賓者の控え室、楽屋の配置など当日まで準備の手は休めることはできません。また、4年ぶりの公演ということでカツラ、衣装、演出など裏方さんの動きも今までと勝手が違ったり、カツラや衣装も傷んでいるところは直しが必要となっています。こんな時こそ伝統の底力が試されているのかもしれません。スポットライトを浴びるのは13名の役者たちですが、その役者の芝居や演技には、舞台を作り上げてきた裏方さんや集落の人たちの気持ちが詰まっているはずですので当日お確かめ下さい。

▼ここで稽古のこぼれ話。稽古の応援に駆けつけた往年の役者さん方が居ても立ってもいられず舞台に上がって見栄を切っています。片野尾歌舞伎は本番の舞台よりも稽古の舞台の方が面白いという話があるとかないとか。

テキスト ボックス: 平成22年 主な事業・行事予定   4月18日 片野尾歌舞伎定期公演  6月13日 クリーン作戦  6月13日 公民館旅行  6月27日 両津バレーボール大会  7月27日 クリーン作戦  8月15日 ふるさと交流会  8月15日 盆踊り大会  9月20日 敬老会  10月10日 前浜地区合同市民運動会  11月14日 両津バレーボール大会  11月28日 片野尾区役員選挙  12月5日 両津卓球大会

ご意見、ご要望はuzzy@e-sadonet.tvまでお寄せください。

トップへもどる

inserted by FC2 system